皆さんは首振りドラゴンというものをご存知でしょうか。
眼の錯覚、いわゆる『錯視』を応用したHollow faceなのですが
人間の凹面の顔が通常の凸面の顔として認識される現象です。
要するに、『人間や生き物の顔は凹むことはありえない、
絶対凸しかない!」
という脳が思い込み、そのフィルターを通して知覚されてしまうので
下記のような動画での現象が起こってしまうのです。
アインシュタインの顔が・・・一瞬にして「えっ!?」って
なりますよね^^;
そんな錯視効果が思い起こされるようなディスプレイの開発が
アナウンスされました。
産総研がどの方向からも自分に向いているように見える
ディスプレイを開発したと発表しました。
特殊なレンズ構造を使った独自の表示技術を利用することで
実現したもので、複数人が見た場合でも画像が各々の正面に
向いているように表示されるのこと。
図1 従来の掲示方法(上)と、開発したディスプレイを利用した場合
(下)の異なる方向から見た表示の見え方の違い。
図2 開発した技術を用いた場合の視覚効果
赤の利用者には赤い面が、青の利用者には青い面があたかも
図の柱の中に設置されているかのような効果を実現できる。
曲面対応液晶などにこの表示技術を応用すれば、駅の円柱の壁面に
掲示されたディスプレイに案内表示や広告など表示したり
道路標識等の角度による死角を無くすことが出来そうです。
自然界にも『偽瞳孔』という観察者による錯覚のような効果が
あります。
あまり聞き慣れないこの単語ですが、カマキリやトンボの複眼の
黒い点と言えばあ~って思い出される人がいっらしゃるかと思います。
カマキリの顔のアップ。
しかしこのカマキリくんの眼に見える黒い点・・・
殆どの人が瞳に見えますよね?
動いているカマキリを観察した方はカマキリが動いたり
カマキリを見る位置が変わるとまるで人間の瞳のように
自分を追いかけて見られている感じになると思いますが、
しかし複眼には瞳は存在しません。
これは複眼の構造に関係あります。
複眼は、小さく細長い筒状の個眼が集まってできています。
その筒状の内壁を見ている状態がカマキリの複眼色です。
複眼は球形で個眼も球面状に並んでいるわけですから、
一定方向から見ると底面まで見える部分が存在します。
その個眼の底面ひとつひとつに光受容細胞(感桿といいます)が
存在しており、光受容細胞は、光を吸収しますので
奥の方まで見通せた個眼からは光の反射がないので
黒く見えるという理屈です。
見ているものが追いかけて見える、のは
実は観察者側に起因することだったのです。
先述のディスプレイも案外そのような錯視効果を狙った技術が
盛り込まれているのかも・・・?